こんにちは、医療事務まなびノートのHIROです。
私は120床ほどの中小病院で総務課長として勤務しており、医療機関で働いて20年ほどになります。また、ユーキャンの医療事務講座を受講し、医療事務認定実務者試験にも合格しました。
医療事務を勉強したとき、私自身が特に苦労したのは、レセプト請求に関する言葉や算定の決まりを覚えることでした。
初診なのか、同じ日に別の診療科を受診した場合はどう考えるのか、年齢によって確認する加算はあるのか、保険の種類はどう見分けるのか。ひとつ覚えたと思ったら、その知識に別の条件がつながってきます。
なので、医療事務で「何度聞いても覚えられない」「自分だけ仕事が遅い」と感じても、すぐに記憶力や適性の問題だと決める必要はありません。
医療事務は、知識を暗記するだけでなく、患者さんごとの条件を見て判断し、レセコンや電子カルテを操作し、分からないものを正しい資料から確認する仕事だからです。
この記事では、病院で長く働いてきた経験と、私自身が医療事務を学んだ経験をもとに、覚えにくい理由と、仕事を少しずつ身につけるための具体的な方法を紹介します。
- 医療事務を覚えられないと感じやすい理由
- 新人が仕事に慣れるまでの考え方
- レセプトやレセコンを覚えるコツ
- メモや問題演習を仕事に生かす方法
医療事務は、受付だけを覚えれば終わる仕事ではありません。
勤務先によって差はありますが、受付、保険確認、会計、電話、診療内容の入力、レセプト作成や点検、返戻への対応、患者さんの案内など、複数の仕事がつながっています。

覚えられないと感じたときは、まず「自分の記憶力が悪い」と考えるのではなく、何が覚えにくいのかを分けて考えることが大切です。
そもそも覚えることが多い仕事である

厚生労働省の職業情報提供サイトjob tagでも、医療事務の仕事として、受付、診療報酬請求、医療費の請求、入退院の手続きなどが挙げられています。
実際の医療機関では、それに電話対応や書類作成、患者さんからの問い合わせ、医師や看護師との連絡などが加わることもあります。
つまり、医療事務は「知識を覚える仕事」と「その場で対応する仕事」が同時に進みます。
昨日教えてもらった操作を思い出そうとしているところへ電話が入り、電話が終わったら患者さんから別の質問を受ける。
こうした中断が続けば、頭に入りにくいのは不思議ではありません。
覚えられないときは、知識不足だけでなく、同時に処理している仕事の量も見てください。
忙しい時間帯に一度教わった内容が定着しないことと、理解する力がないことは同じではありません。
医療事務の仕事内容を公的な職業情報で確認したい方は、厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag「医療事務」も参考になります。
レセプトは暗記だけでは難しい

私がユーキャンの医療事務講座で勉強しましたが一番苦労したのも、レセプトでした。
診療報酬は、単に「この処置は何点」と覚えるだけではありません。
患者さんの年齢、受診の状況、診療内容、回数、他の項目との関係などを見ながら、算定できるかどうかを確認します。ひとつの言葉だけを覚えても、実際のカルテでは複数の条件が重なるわけです。
私の場合も、テキストを読んだだけではなかなか頭に残りませんでした。
問題を解きながら、「なぜこれは算定するのか」「なぜこちらは算定しないのか」を何度も確認して、やっと流れが分かってきた感覚です。

さらに、診療報酬は一度覚えれば永久に同じというものでもありません。2026年には令和8年度診療報酬改定が行われ、厚生労働省では点数表や通知、訂正後の資料が公開されています。
このため、医療事務では「全部覚える力」だけでなく、「必要なときに正しい資料を確認できる力」も大切です。細かな条件まで無理に丸暗記しようとすると、かえって苦しくなります。
現行の制度を確認するときは、厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」など、最新の一次情報を確認してください。
レセコンは操作と判断が重なる

レセコンや電子カルテが覚えられないという悩みもよくあります。
これは、単純なパソコン操作だけの問題ではありません。どの患者さんを開くか、どの保険を選ぶか、どの診療内容を入力するか、入力後にどこを確認するかなど、操作と医療事務の判断がセットになっているからです。
しかも、レセコンの画面や操作方法は医療機関によって異なります。資格の勉強で医療保険や診療報酬を学んでいても、入職後には勤務先のシステム操作を改めて覚える必要があります。

私なら、新人さんがレセコンでつまずいている場合、まず頻繁に行う操作から覚えてもらいます。
受付登録、保険確認、会計など、毎日何度も繰り返す処理です。めったに来ない特殊なケースまで最初から覚えようとすると、日常業務まで混乱しやすくなります。
HIROのワンポイントアドバイス
レセコンは画面を眺めて覚えるより、「この患者さんなら最初にどこを確認するか」という順番で覚えると実務につながりやすいですよ。クリックする場所だけでなく、操作する理由も一緒にメモしておくのがおすすめです。
何ヶ月で慣れるかは人による

「医療事務は何ヶ月で慣れますか?」という疑問に、全員共通の数字で答えることはできません。
インターネット上では3か月、半年などさまざまな体験談がありますが、公的に定められた「医療事務は何か月で独り立ち」という基準があるわけではありません。病院とクリニックでは業務範囲が違いますし、同じ病院でも受付担当とレセプト担当では覚える内容が変わります。
さらに、未経験かどうか、パソコン操作に慣れているか、研修期間があるか、質問できる先輩がいるかによっても習熟の速度は変わるでしょう。
なので、「入職して2か月なのにまだ分からない」「3か月たったから全部できないとおかしい」と区切らない方がいいです。見るべきなのは期間だけではなく、先月できなかったことが少しずつできるようになっているかです。
年齢だけが原因とは言えない

「50代だから覚えられないのでは」「若い人より不利なのでは」と心配する方もいます。
ただ、医療事務の新人について、年代ごとに仕事を覚える速度を比較した公的な基準があるわけではありません。実際には、これまでの事務経験、接客経験、パソコン操作、勤務する診療科、教育体制など、いろいろな条件が重なります。
年齢だけを理由に「自分には無理」と結論づけるより、今つまずいているのが専門用語なのか、端末操作なのか、保険制度なのかを分けて考えた方が対策しやすいです。
向いていないと決めるのは早い

仕事を覚えられない日が続くと、「医療事務に向いていないのかも」と考えたくなるかもしれません。
もちろん、仕事には相性があります。
ただ、入職直後に覚えられないことだけで適性を判断するのは早いと思います。なぜなら、医療事務は勤務先固有のルールが多く、教わらないと分からないことも少なくないからです。
例えば、
- 予約の取り方
- 電話の回し方
- 書類の置き場所
- 紹介状の扱い
- 患者さんの案内方法
などは、一般的な医療事務のテキストだけでは覚えられません。
何度質問しても説明がほとんどない、手順書がないのに「見て覚えて」と言われる、教わっていない業務まで当然のように求められる場合は、本人の努力だけでは解決しにくいことがあります。
教育方法や担当範囲について、上司や教育担当者と相談することも必要です。
一方で、同じミスを何度も繰り返しているなら、「もっと頑張って覚える」ではなく、ミスの原因を一つずつ見つける方が前に進みます。次から、その具体的な方法を説明します。
覚える量が多い仕事ほど、全部を一度に頭へ入れようとしないことが大切です。
私自身、医療事務の勉強では、テキストを何度も読むより、問題を解いて間違えたところを戻る方が身につきました。
ここでは、現場でも資格学習でも使いやすい方法に絞って紹介します。

対策のポイントは以下の7つです。
- 最初に覚えることを絞る
- メモは検索できる形にする
- 読み返すより問題を解く
- ミスを種類別に振り返る
- レセプトは調べる力も育てる
- 質問の仕方を変えてみる
- 資格学習で基礎を補う
最初に覚えることを絞る

新人のうちは、覚える内容に順番をつけましょう。
優先すべきは、毎日使う知識と操作です。
勤務先によって違いますが、受付から会計までの流れ、保険証や資格情報の確認、よく使うレセコン操作、電話対応の基本などは繰り返し使うため、覚える効果が大きい部分です。
| 優先度 | 覚える内容 | 考え方 |
|---|---|---|
| 高い | 1日の仕事の流れ | 次に何をするか迷わない状態を目指す |
| 高い | 頻繁に使うレセコン操作 | 受付・保険確認・会計などから繰り返す |
| 高い | 保険や診療報酬の基礎 | 日常的に出る範囲から理解する |
| 中程度 | 院内独自のルール | 業務別に自分用メモへまとめる |
| 後でよい | まれな例外処理 | 全部暗記せず確認先を分かるようにする |
最初から難しい加算や珍しい患者対応まで完璧に覚えようとすると、頭の中がごちゃごちゃしてきます。
まずは「今日も使うこと」を優先し、そこから範囲を広げていきましょう。
メモは検索できる形にする

メモを取っているのに覚えられない場合は、メモの量より後から探せるかを見直してみてください。
教わった順番に全部書くだけだと、「保険変更のとき、どこに書いたかな」と探す時間が増えます。私は、メモは自分用の小さなマニュアルにしていくのがいいと思っています。
自分用メモに残したい項目
業務名/どんなときに使うか/操作手順/確認する場所/間違えやすい点/分からないときに見る資料や聞く人
さらに、後から追記できる余白を残しておくと便利です。最初の説明では分からなかったことも、実際に患者さんを対応してから「あの説明はこういう意味だったのか」とつながることがあります。
メモの目的は、きれいなノートを作ることではなく、必要なときに正しい行動へ戻れるようにすることです。
読み返すより問題を解く

専門用語や診療報酬を覚えるとき、テキストを読むだけで終わらせない方がいいです。
一般的な学習研究では、間隔を空けて繰り返すことや、答えを見ずに思い出す練習が記憶の保持に関係することが研究されています。ただし、これは医療事務新人だけを対象にした研究結果ではありません。
それでも、私自身の受講経験ではかなり納得できる部分がありました。
テキストを読んだ直後は分かった気になるのですが、問題になると答えられないことがあります。
そこで初めて、「ここは理解できていなかった」と気づけます。

おすすめは、「読む→閉じる→思い出す→問題を解く→間違えたところだけ戻る」という流れです。すべてを最初から読み直すより、自分が分からないところに時間を使いやすくなります。
ミスを種類別に振り返る

同じミスを減らすには、「また間違えた」で終わらせず、原因を分類します。
例えば、保険のルールを知らなかったのか、知っていたのに確認を飛ばしたのか、レセコンの入力場所を間違えたのかでは、対策が違います。
| ミスの種類 | 次にすること |
|---|---|
| 知識を知らなかった | 根拠となる資料を確認してメモへ追加する |
| 条件を読み違えた | 判断条件を箇条書きで残す |
| 入力を忘れた | 会計前など確認するタイミングを決める |
| 操作を間違えた | 画面の順番を簡単な手順書にする |
| 焦って確認を飛ばした | 急ぐ場面でも外さない確認項目を決める |
「私はミスが多い」と人全体を評価してしまうと、改善方法が見えません。「保険変更の確認を飛ばしやすい」まで具体的にすると、次に何を直せばいいかが分かります。
レセプトは調べる力も育てる

レセプトを覚えるときは、よく使う基本は繰り返して身につけつつ、細かな条件は「どこを見れば確認できるか」も覚えてください。
実務では、診療報酬点数表、通知、疑義解釈、院内で採用している資料などを確認する場面があります。
特に診療報酬改定の時期は、以前の知識だけで判断しないことが大切です。
私も勉強を始めたころは「こんなにたくさん覚えないといけないのか」と感じました。ただ、学んでいくうちに、全部を頭へ保存するのではなく、基本を理解し、分からない部分を調べられる状態を作る方が現実的だと感じるようになりました。
HIROのワンポイントアドバイス
レセプトで分からない項目が出たら、答えだけを書かずに「どの資料のどこを見て確認したか」も残しておくと、次に似たケースが出たときに調べる速度が上がりますよ。
質問の仕方を変えてみる

質問するのが苦手な方は、「分かりません」だけではなく、自分が確認したところまで伝えてみてください。
例えば、「保険変更の登録まではできました。前月分を修正するときのこの画面だけ分からないので教えてください」という聞き方です。先輩側も、どこまで理解しているのか把握しやすくなります。
また、一度教わった内容でも、実際にやって初めて疑問が出ることはあります。質問したこと自体を必要以上に気にするより、同じ質問をしたときに自分のメモへ追記し、次回は自力で確認できるようにする方が大切です。
ただし、患者さんの会計や保険請求に影響する内容を、分からないまま自己判断するのは避けましょう。確信が持てない場合は、勤務先の責任者や経験者に確認してください。
資格学習で基礎を補う
未経験で入職し、専門用語や保険、レセプトの仕組みがまったく分からない場合は、仕事とは別に基礎を順番に学ぶ方法もあります。
私は総務の仕事を長くしていましたが、カルテやレセプト請求を日常業務として担当していたわけではありません。
そこでユーキャンの医療事務講座を受講しました。
ユーキャンの医療事務講座では、テキストに加えて、問題演習や添削課題、デジタル教材などを使って学習できます。

私に合っていたのは、ユーキャンの医療事務講座で基礎から順番に学べたことです。
- 病院の収益がどのようになりたっているのか、
- 会計の明細書にかかれている点数はどのような意味があるのか、
- なぜ毎月マイナンバーカードを受け付けに出す必要があるのか、
すべて理解することができました。
特に、レセプト実習や添削課題で繰り返し問題を解けることは、読むだけでは覚えにくかった私には助けになりました。
また、スマホでも確認問題やデジタルテキストを使えることは、まとまった勉強時間を取りにくい方にも使いやすいと思います。
ただし、資格講座を受ければ職場の仕事がすべて自動的にできるようになるわけではありません。
院内独自のルールや実際に使うレセコンは、入職後に覚える必要があります。

資格学習は、現場で出てくる言葉や仕組みを理解しやすくするための土台と考えるのがいいでしょう。
講座内容、料金、サポート内容、試験の条件などは変更される可能性があります。
正確な情報は、申し込み前にユーキャン公式サイトで確認してください。
医療事務を覚える時のよくある質問

Q1. 医療事務は何ヶ月で慣れますか?
A. 全員に共通する期間はありません。3か月や半年といった体験談はありますが、担当業務、病院かクリニックか、未経験かどうか、教育体制などで大きく変わります。期間だけでなく、以前よりできる仕事が増えているかを見てください。
Q2. レセコンを覚えられないと医療事務に向いていませんか?
A. レセコンを覚える速度だけで向き不向きは判断できません。操作方法は勤務先のシステムによって違い、保険や診療報酬の判断も同時に必要です。まずは毎日使う操作を繰り返し、特殊な処理は手順を確認できるようにしていきましょう。
Q3. レセプトの点数や加算は全部暗記する必要がありますか?
A. 頻繁に使う基本事項は身につけた方が仕事は早くなりますが、細かな条件まですべて暗記する前提で考える必要はありません。制度は改定されるため、最新の点数表や通知、院内資料から正しく確認できることも重要です。
Q4. 医療事務で最初に覚えることは何ですか?
A. まず勤務先の1日の流れと、毎日使う受付・保険確認・会計などの基本操作から覚えるのがおすすめです。そのうえで、よく出る診療報酬や院内ルールへ範囲を広げます。まれな例外まで最初から一度に覚えようとしない方が進めやすいです。
Q5. 50代で医療事務を覚えられないのは年齢のせいですか?
A. 年齢だけで判断することはできません。これまでの事務経験、パソコン操作、担当業務、診療科、職場の教育体制なども影響します。年齢で決めつけず、専門用語、端末操作、保険制度など、どこでつまずいているかを分けて対策してください。
医療事務を覚えられない時のまとめ

医療事務を覚えられないと感じても、すぐに「自分には向いていない」と結論づける必要はありません。
医療事務は、受付や会計だけでなく、保険、診療報酬、レセプト、レセコン、医療用語、院内ルールなど、多くの知識と手順がつながる仕事です。
しかも、患者さんへの対応をしながら使うため、机の上で暗記するだけでは身につきにくい部分があります。
【今日から実践できること】
- 最初は毎日使う業務から優先して覚える
- メモは後から検索できる自分用マニュアルにする
- 読み返すだけでなく問題を解いて思い出す
- ミスは原因ごとに分けて次の行動を決める
- 細かなルールは最新資料から確認できるようにする
私自身も、医療事務の勉強ではレセプトの手順や医療用語を覚えるのに苦労しました。
だからこそ、覚えられないときに必要なのは、何度も丸暗記し直すことではなく、問題を解き、間違いを確認し、必要な情報を引ける状態へ少しずつ変えていくことだと思っています。
患者さんの負担額や診療報酬請求に関わる判断は、自己判断せず、最新の公的資料や勤務先のルールを確認してください。判断に迷う場合は、上司などへ相談しましょう。
昨日より一つでも迷わずできる仕事が増えているなら、それは前に進んでいる証拠です。
焦って全部を覚えようとせず、使う知識から一つずつ身につけていきましょう。
以上、この記事が参考になれば幸いです。
医療事務まなびノート 
