医療事務で使えない新人と思われる原因は?総務課長が改善策を解説

医療事務で使えない新人と思い悩む女性に、上司が改善策をやさしく指導している様子

こんにちは、医療事務まなびノートのHIROです。

私は120床ほどの中小病院で総務課長として働き、医療機関での勤務は20年ほどになります。これまで医療事務に応募された方や、入職した新人さんを数多く見てきました。

新人の中には長く続く方もいれば、1年以内に退職する方もいます。ただ、私が現場を見てきて感じるのは、新人だから仕事ができないことと、「使えない」と評価されることはまったく別だということです。

医療事務は、受付や会計だけではありません。

保険の扱い、診療報酬、レセプト、患者さんへの対応、医療機関ごとの決まり、レセコンや電子カルテの操作など、入職してから覚えることがたくさんあります。

HIRO
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いきなり全部できる方がむしろ珍しい仕事です。

一方で、何か月たっても同じミスを繰り返す、分からないまま放置する、必要な報告をしないといった状態が続けば、新人という見方だけでは済まなくなります。

この記事では、その境目と、今から変えられることを病院側の視点も交えてお伝えします。

この記事のポイント
  • 新人が医療事務に慣れるまでの目安
  • 使えないと思われやすい行動
  • 同じミスや仕事の遅さを減らす方法
  • 資格や事前学習をどう役立てるか

医療事務で使えない新人と思う前に

「私は仕事が遅い」「またミスをした」「先輩に迷惑をかけている」と感じると、自分を必要以上に低く評価してしまいがちです。

ただ、医療事務には一定の習熟期間が必要です。

まずは、今の自分が本当に能力不足なのか、それともまだ覚えている途中なのかを分けて考えてみましょう。

新人が慣れるまで何ヶ月かかる?

医療事務の新人に対して、上司が業務の流れと成長のステップを説明している様子

医療事務は、数日や数週間でベテランと同じように動けることを前提にした仕事ではありません。

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」では、医療事務について「周囲から特別なサポートがなくても、一般的な就業者と同じように働けるようになるまで」の期間として、1か月超~6か月以下が41.2%、6か月超~1年以下が21.6%となっています。

両方を合わせると62.8%です。一方、「未経験でもすぐに即戦力」とする回答は5.9%でした。

これは「全員が6か月かかる」という意味ではなく、あくまで一般論の参考です。

担当する診療科、病院やクリニックの規模、受付だけなのかレセプトまで担当するのか、教育体制などによって習熟の早さは変わります。

入職1~3か月で仕事が遅いからといって、それだけで「医療事務に向いていない」と決めるのは早いと私は考えています。

(出典:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag 医療事務」)

最初からできないのは普通

不安そうな医療事務の新人に、先輩女性が受付でやさしく書類の見方を教えている様子

私の勤務先でも、新人さんが最初から何でもできるとは考えていません。

むしろ、分からないことが多くて当然です。

医療機関の会計は、一般のお店の会計とは仕組みが違います。

診療内容によって点数が決まり、保険や公費によって患者さんの負担も変わります。

さらに、同じ医療事務でも職場が変われば、受付手順や電話の受け方、書類の置き場所、会計処理の流れまで違うことがあります。

今いるベテラン職員も、最初から現在のように仕事ができたわけではありません。

失敗し、その原因を覚え、同じ場面を何度も経験して今があります。

HIROのワンポイントアドバイス

新人さんに対して、現場側が最初から「できて当たり前」と思っているとは限りません。

私の職場では、できないことよりも、教わったあとにどう取り組んでいるかを見ています。

使えないと思われやすい行動

患者対応と事務作業の前で迷い込み、書類がたまってしまっている医療事務の新人の様子

では、どのような状態が続くと評価が変わってくるのでしょうか。

私が現場を見てきた中では、単純な知識不足よりも「改善しようとしているかどうか」が大きいと感じています。

新人として受け止められやすい状態評価が下がりやすい状態
初めての業務で分からず質問する分からないのに確認せず進める
ミスをしたあと報告して教わるミスを隠す、報告を後回しにする
教わった内容をメモする何度も同じ内容を一から聞く
処理が遅くても確認しながら進める急ぐことだけを優先して同じ誤りを繰り返す
注意されたあと改善策を試す注意を受けても行動が変わらない

新人のうちは質問が多くても構いません。

ただし、「前にも教えてもらったのに、また同じところで止まった」という場面が増えてきたら、メモの取り方や復習方法を変える必要があります。

できないこと自体より、できない状態をそのままにしていることのほうが問題になりやすい。

ここは覚えておいてください。

ミスが多いと向いていない?

添削された書類を見て悩む医療事務の新人に、上司が励ましながら改善点を伝えている様子

ミスが多い時期があるからといって、それだけで向いていないとは言えません。

新人は、知らない言葉を覚えながら、患者さんの対応をし、電話が鳴れば手を止め、会計や入力も進めます。

頭の中がいっぱいになれば、確認漏れが起こりやすくなるのも不思議ではありません。

ただし、同じ種類のミスが何度も続く場合は話が変わります。

大事なのは「自分はダメだ」と考えることではなく、何を間違えたのかを具体的にすることです。

例えば、「会計を間違えた」だけでは次に生かしにくいですよね。「保険の確認を飛ばした」「入力後の見直しをしなかった」「電話対応で作業を中断したあと、どこまで終わったか分からなくなった」と原因まで分けると対策が見えてきます。

医療事務では、患者さんの保険情報や会計を扱います。新人だからミスが許されるという意味ではありません。分からない処理は自己判断で進めず、職場の手順に従って確認してください。

仕事が遅いときに優先すること

患者が待つ受付で、医療事務の新人が書類を一つずつ丁寧に確認しながら仕事を進めている様子

「急ぐとミスする。でも確認していると遅いと言われる」

新人さんが苦しくなりやすい場面です。

私なら、最初は正しい手順を崩さないことを優先してほしいと思います。間違ったやり方を速く繰り返しても、あとで修正する時間が増えるだけだからです。

まずは、よく行う処理を正しい順番でできるようにする。そのうえで、同じ作業を繰り返すうちに迷う時間を減らしていきます。慣れてくれば、操作する場所や確認するポイントを考えなくても手が動く場面が増えてきます。

スピードは「急いだ結果」ではなく、正しい手順に慣れた結果としてついてくるものだと考えると少し気持ちが楽になります。

教え方が合わない職場もある

2人の先輩から別々の説明を受けて戸惑っている医療事務の新人の様子

新人本人が努力すればすべて解決するわけでもありません。教える人によって説明が違う、質問しようとしても話を聞いてもらえない、手順書がなく毎回口頭だけで指示される、といった職場では覚えにくくなります。

その場合は、「昨日はこう教わりましたが、今回はこの方法でよいでしょうか」のように、違いを確認するのがおすすめです。誰かの教え方を否定するのではなく、今後どの方法で統一するかを確認する聞き方なら、角が立ちにくいでしょう。

それでも必要な教育がなく、質問すること自体を強く責められる状態が続くなら、自分だけの能力問題と決めつけないでください。直属の上司や教育担当など、別の人に相談することも選択肢です。

医療事務で使えない新人から抜け出す方法

ここからは、今日からできることに絞ってお伝えします。

特別な才能は必要ありません。

私が新人を見る立場で「この人なら少しずつ任せられる」と感じるのは、失敗しない人ではなく、失敗したあとに行動を変えられる人です。

同じミスを減らすための3つの工夫

上司の説明を聞きながら、チェックリストとメモで同じミスを減らす工夫を学ぶ医療事務の新人

同じミスを減らすには、反省だけで終わらせないことが大切です。「次は気をつけます」では、忙しくなったときに元へ戻ってしまいます。

おすすめは、ミスが起きたら次の3点だけを書き残す方法です。

  • 何を間違えたか
  • なぜ間違えたか
  • 次から何を確認するか

例えば、保険情報の登録を間違えたなら、「患者さんの画面を開いたあと確認項目を飛ばした」「受付が重なって焦っていた」「登録前に資格情報を指差し確認する」といった形です。

ここまで具体的にすると、次に同じ場面が来たとき思い出しやすくなります。

HIROのワンポイントアドバイス

注意されたときに素直に謝ることも大切ですが、それ以上に「次はどう変えるか」が大事です。

先輩側も、改善しようとしている姿が見えると教え方を考えやすくなります。

メモは見返せる形に変える

散らばったメモをノートに整理し直して、見返しやすくまとめている医療事務スタッフの様子

メモを取っているのに覚えられない方は、書いた量ではなく「あとで使えるか」を見直してみてください。

仕事中に急いで書いたメモは、単語だけになりがちです。帰宅後にすべて清書する必要はありませんが、その日のうちか翌日に、手順が分かる形へ短く直しておくと使いやすくなります。

例えば「返戻→確認」だけではなく、「返戻が来たら○○画面を確認→理由を確認→判断できなければ担当者へ聞く」のように、次の行動まで分かる形です。

同じ内容を何度も聞いてしまう方は、質問する前に自分のメモを一度見る習慣をつけてください。それだけでも「前回教えてもらった内容を生かしている」という印象は変わります。

報連相と質問を後回しにしない

自宅で教材とノートを使い、医療事務の基礎知識を学んでいる女性の様子

医療事務で特に避けたいのが、分からないまま処理を進めることです。忙しそうな先輩に聞くのが申し訳なくて、自分で判断したくなる気持ちは分かります。

ですが、患者さんの会計や保険、診療に関わる情報は、あとから訂正すると周囲の作業も増えます。迷った時点で確認したほうが結果的に早いことは少なくありません。

質問するときは「分かりません」だけではなく、「ここまでは確認しましたが、この場合はAとBのどちらでしょうか」と伝えると、相手も状況をつかみやすくなります。

また、自分のミスに気づいたら早めに報告してください。怒られるのが怖くても、時間がたつほど影響範囲が広がることがあります。

報連相ができる新人は、分からないことがあっても周囲がフォローできます。逆に、何も言わずに進めてしまうと、周囲はどこまで理解しているのか判断できません。

医療事務の基礎知識を補う

医療事務の仕事は、現場でしか覚えられないことがたくさんあります。

一方で、保険、診療報酬、レセプト、医療機関で使われる言葉など、事前に知っているだけで入りやすくなる内容もあります。

私は実際にユーキャンの医療事務講座を受講し、医療事務認定実務者試験に合格しました。

講座では、医療事務の基本から順番に学ぶことができました。

ユーキャン医療事務講座のテキストを開いて医療事務の基本を学ぶ様子
私が受講したユーキャン医療事務講座のテキスト。医療事務の基本から学習しました。

現在の公式案内では、メインテキスト3冊のほか、試験対策問題集や添削課題集などが用意され、標準学習期間は4か月、受講開始から8か月まで指導を受けられる内容になっています。

HIRO
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デジタルテキストやWEBテスト、学習スケジュール管理にも対応しています。

ユーキャン医療事務講座のデジタルサポートで進捗率や理解度を確認する画面
実際に使ったデジタルサポート。学習の進み具合や課題を確認できます。

未経験で「専門用語がまったく分からないのが怖い」という方には、ユーキャンの医療事務講座で基礎から学ぶことも選択肢の一つです。

ただし、資格を取ったから仕事ができるようになるわけではありません。

職場ごとのルールや患者さんへの対応は、実際に働きながら覚える必要があります。

知識があれば、先輩から教わった内容を理解しやすくなることはあります。

しかし、分からないことを質問する、ミスを報告する、教わったことを次へ生かすといった働く姿勢のほうが、長く続けるうえでは大切だと私は考えています。

講座内容、受講料、サポート条件などは変更される可能性があります。

申し込みを検討する場合は、正確な情報をユーキャン公式サイトで確認してください。

ユーキャンの医療事務講座の公式サイトはこちら

医療事務の新人に関するよくある質問

Q1. 医療事務を3ヶ月しても覚えられないのは遅いですか?

A. 3か月で何ができるべきかという全国共通の基準はありません。job tagでも、入職後に一般的な就業者と同じように働けるまで「1か月超~6か月以下」「6か月超~1年以下」と答えた割合が合わせて62.8%です。担当業務や教育環境で差があるため、勤務期間だけで判断せず、以前できなかったことが少しずつできるようになっているかを見てください。

Q2. 半年たってもミスがあると向いていませんか?

A. 半年後にミスがあることだけで向き不向きは決められません。見るべきなのはミスの種類と変化です。初めて経験したケースで間違えたのか、同じミスを何度も繰り返しているのかで意味が違います。同じミスが続くなら、原因と確認方法を具体的に変えてみましょう。

Q3. 資格があっても仕事ができないことはありますか?

A. あります。資格学習で医療事務の基礎を学べても、職場独自の手順、レセコン操作、患者さんへの対応、院内での連携まで自動的に身につくわけではありません。資格は知識の土台として活用し、実務は現場で一つずつ覚えるという考え方が現実的です。

Q4. 「使えない」と言われたらパワハラですか?

A. その言葉だけで直ちにパワハラと断定することはできません。厚生労働省は、職場のパワーハラスメントについて、優越的な関係を背景とした言動、業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの、就業環境が害されるものという要素を示しています。一方、人格を否定するような侮辱やひどい暴言は「精神的な攻撃」の例に挙げられています。繰り返し人格を否定されるなど気になる状況があれば、職場の相談窓口や労働局などへ相談してください。最終的な判断は個別事情によるため、必要に応じて専門家へ相談するのが安心です。

(出典:厚生労働省「あかるい職場応援団 パワーハラスメントとは」)

Q5. 医療事務を辞めた方がよいのはどんなときですか?

A. 「何か月たったら辞めるべき」という基準はありません。まずは、自分のミスが減っているか、質問や報告ができる環境か、教育担当に相談して改善できそうかを見てください。一方で、人格を否定する言動が続く、必要な教育を受けられない、心身への負担が大きいといった場合は、無理に一人で抱えず、上司や人事、外部の相談窓口、必要に応じて医療機関などへ相談してください。

まとめ:医療事務の使えない新人で終わらないために

医療事務の使えない新人で終わらないために

新人のうちは、できなくて当たり前のことがあります。医療事務は覚える範囲が広く、職場独自のやり方もあるため、最初から迷わず動ける人ばかりではありません。

ただ、新人という立場がずっと続くわけでもありません。何度も同じミスをする、分からないことを放置する、報連相をしないという状態が続けば、周囲の見方が変わることはあります。

だからこそ大事なのは、完璧になることではなく、昨日教わったことを今日に生かすことです。

ミスをしたら原因を一つ決める。分からなければ確認する。注意されたら次の行動を変える。この積み重ねができる方は、少しずつ任せられる仕事が増えていきます。

もし「知識がないこと自体が不安で、現場の説明についていけない」と感じているなら、ユーキャンの医療事務講座で基本を学び直すのも一つの方法です。私自身も受講して感じましたが、専門用語や医療事務の仕組みを先に知っておくと、現場で聞く言葉の意味をつかみやすくなります。

それでも、最後に差が出るのは知識の量だけではありません。素直に謝れるか、確認できるか、同じ失敗を減らそうと動けるか。医療事務に限らず、仕事を続けるうえで大切なのはそこだと私は思います。

以上、この記事が参考になれば幸いです。

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