医療事務の忙しい時期はいつ?総務課長が繁忙期と残業事情を解説

医療事務の忙しい時期をイメージした、書類を確認しながら業務に取り組む医療事務スタッフと総務課長の様子

こんにちは、医療事務まなびノートのHIROです。

私は120床ほどの中小病院で総務課長として勤務しており、約20年間、医療事務の働き方を労務管理の側から見てきました。時間外労働の集計を毎月確認していると、医事課の残業が増える時期には、かなりはっきりした傾向があります。

HIRO
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医療事務が毎月もっとも忙しくなりやすいのは、月末から翌月10日前後です。

制度上、レセプトは診療翌月10日までに提出する必要があるため、通常の受付や会計に請求業務が重なります。私の勤務先では前日の9日までに実質的な確認を終える運用なので、月末から9日頃までが特に慌ただしくなります。

ただ、医療事務の忙しさはレセプトだけで決まりません。

冬の感染症、春の花粉症、休み明けの患者さんや電話の集中など、診療科や施設による違いもあります。この記事では、毎月の繁忙期と季節による繁忙期を分けて、現場で何が起きているのかまでお伝えします。

この記事のポイント
  • 医療事務が毎月忙しくなる時期
  • 月末月初に残業が増えやすい理由
  • 診療科ごとに違う季節の繁忙期
  • 忙しい時期に備えて知っておきたいこと

まず押さえたいポイント

全国的に共通しやすい繁忙期は「毎月の月末〜翌月10日前後」です。季節の忙しさは診療科や地域によって変わるため、別に考えると分かりやすいですよ。

医療事務の忙しい時期は月末月初

医療事務の繁忙期を知るうえで、最初に理解しておきたいのがレセプト請求です。

患者さんが多い日だけが忙しいわけではなく、締め切りのある事務作業が毎月発生することが、医療事務ならではの忙しさにつながっています。

一番忙しいのは月末から10日

医療事務の忙しい時期を表す、月末から月初にかけて書類を確認しながら業務を進める医療事務スタッフの様子

医療事務で最も共通して忙しくなりやすいのは、月末から翌月10日前後です。

レセプトとは、患者さん1人ごとの1か月分の診療内容をまとめた診療報酬明細書のこと。保険医療機関は、原則として診療した翌月10日までにレセプトを審査支払機関へ提出します。

この締め切りは全国共通なので、病院でもクリニックでも、保険診療を行っている以上は月ごとの請求サイクルの影響を受けます。社会保険診療報酬支払基金も、電子レセプトは診療翌月10日までに提出すると案内しています。

(出典:社会保険診療報酬支払基金「診療報酬の審査・支払業務の流れ」)

「1日から10日までずっと同じ忙しさ」という意味ではありません。日頃から点検を進めているか、専任担当がいるか、レセプト件数がどれくらいあるかによってピークは変わります。

月末から忙しくなる理由

月末から忙しくなる理由をイメージした、パソコン入力と大量の書類整理を同時に進める医療事務スタッフの様子

「提出期限は10日なのに、なぜ月末から忙しくなるの?」と思うかもしれません。その理由は、月が替わってから初めてすべてを確認するのでは間に合わないからです。

月末が近づくと、当月分の入力状況や未処理の診療内容を確認し、請求へ向けた準備を進めます。月が替わると、1か月分をまとめて点検し、傷病名と診療内容の整合性、算定漏れ、重複、資格情報、入力ミスなどを確認します。

つまり、繁忙期に増えるのは単純な入力作業ではありません。「この請求で問題ないか」を一件ずつ確認する仕事が増えます。必要に応じて医師へ確認し、修正して、再度チェックすることもあります。

私の勤務先では、月末あたりから医事課の空気が少し変わります。普段の受付や会計をこなしながら、請求の締め切りも見えてくるからです。病院の収益に直結する仕事なので、漏れがないよう確認を続ける姿には、総務の立場から見ても本当に頭が下がります。

HIROのワンポイントアドバイス

医療事務は受付の仕事という印象を持たれやすいですが、月末月初を見ると「病院の収益を支える仕事」という面がよく分かります。まさに縁の下の力持ちだと感じています。

レセプト締切前に増える仕事

レセプト締切前に増える仕事を表す、書類を見比べながら上司と確認作業を行う医療事務スタッフの様子

レセプトの締め切り前には、通常業務に加えて次のような確認が増えます。

確認する内容主な作業
診療内容入力漏れや重複、算定内容を確認する
傷病名診療内容との整合性を確認する
資格情報請求先や資格情報に誤りがないか確認する
エラーシステム上の警告や不備を確認して修正する
請求確定オンライン送信後の結果まで確認する

現在はオンライン請求が中心になり、紙を束ねて持参するといった作業は以前より減っています。一方で、入力した内容が正しいか、算定条件を満たしているか、エラーがないかという確認は残ります。

支払基金では、オンライン請求を毎月5〜7日は8時〜21時、8〜10日は8時〜24時まで受け付けています。

また、10日までに送信したレセプトのうち一定のエラーについては、12日まで訂正できる仕組みがあります。締め切りが近づくほど確認作業に時間を使いやすい理由の一つです。

ユーキャン医療事務試験の実技問題で診療報酬を計算しレセプト業務の基礎を学んだ様子
私がユーキャンの医療事務試験で取り組んだ診療報酬の実技問題。実務のレセプト請求とは別物ですが、診療報酬の仕組みを学ぶ基礎になりました。

月末月初は残業が増えやすい

月末月初は残業が増えやすいことを表す、夕方の医療事務室で書類確認を続ける医療事務スタッフの様子

レセプト時期に大変なのは、請求業務だけに集中できるわけではないことです。受付、電話、会計、患者さんへの案内といった日常業務は普段どおり続きます。

私が勤務する病院では、医事課職員の残業申請は1人あたり月15〜20時間ほどになる月があります。これは全国平均ではなく、あくまで私の勤務先で総務課が集計している実績です。

その多くがレセプト請求時期に発生しています。

日中は患者さんへの対応があるため、診察が落ち着く夕方からレセプト業務へ移ることも珍しくありません。

普段の仕事を終えてから、間違いが許されない確認を続けるわけです。

疲れが出る時期なので、医事課内が少しピリピリした雰囲気になることもあります。

残業時間は勤務先によって大きく違います。

レセプト件数、人員配置、日常点検の方法、システム、診療科などで変わるため、「医療事務なら毎月必ず何時間残業する」とは言えません。求人を見るときは、月平均残業時間だけでなく、月初の勤務体制も確認するとよいでしょう。

電子化しても忙しさは残る

月末から忙しくなる理由をイメージした、パソコン入力と大量の書類整理を同時に進める医療事務スタッフの様子

電子カルテやレセコンが導入されていると、「今はほとんど自動だから月初も暇なのでは」と思う方もいるかもしれません。確かに、システムによって物理的な作業は減りました。

それでも、患者情報や診療内容そのものが正しいかを最終的に確認する仕事は残ります。機械が警告を出しても、その内容を見て修正が必要か判断するのは人です。医師への確認や、院内ルールに沿った対応が必要になるケースもあります。

そのため、電子化は仕事を助けてくれますが、「電子カルテだからレセプト繁忙期がなくなる」とまでは言えません。むしろ、仕組みを理解してシステムを使えることが大切です。

レセプトや医療用語を覚えることに不安がある方は、医療事務が覚えられないときの覚え方も参考にしてください。

月末月初は休みにくいのか

月末月初は休みにくいのかをイメージした、忙しい医療事務室で先輩スタッフに相談する医療事務員の様子

「月初は休めない仕事なの?」という点も気になるところでしょう。

結論から言うと、勤務先の体制によります。

請求担当者が少ない職場では、月初の希望休を取りにくいことがあります。一方、複数人で担当を分けていたり、日常的にレセプト点検を進めていたりする職場では、月初でも通常どおり休みを取れるケースがあります。

就職や転職を考えているなら、面接時に「月末月初の残業はどの程度ありますか」「レセプト期間の休日出勤はありますか」と確認しても問題ありません。

繁忙期そのものより、忙しい時期をどう回している職場なのかを見ることが大切です。

医療事務の忙しい時期は季節でも変わる

毎月のレセプト時期とは別に、患者さんが増えることで忙しくなる時期があります。

ただし、こちらは全国の医療機関が一斉に同じ忙しさになるわけではありません。診療科、地域、患者層、予防接種の実施状況などで差が出ます。

冬は内科や小児科が忙しい

冬は内科や小児科が忙しいことを表す、混雑した待合室のある受付で親子対応を行う医療事務スタッフの様子

内科や小児科では、冬に患者さんが増えて忙しくなることがあります。厚生労働省は、日本のインフルエンザについて例年12月〜3月が流行シーズンと案内しています。

(出典:厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」)

患者さんが増えると、受付だけでなく、電話、案内、資格確認、会計なども連鎖して増えます。診察時間が延びれば会計のピークも後ろへずれ、夕方まで慌ただしさが続く場合もあります。

さらに秋から冬は、医療機関によって予防接種の予約や問診票確認、費用区分の確認などが加わります。月初のレセプト時期と感染症シーズンが重なると、事務処理と患者対応の両方で忙しくなりやすいでしょう。

花粉症の時期は診療科で差

花粉症の時期は診療科で差があることを表す、花粉症の患者が多く訪れる受付で親子対応をする医療事務スタッフの様子

春は、耳鼻咽喉科、眼科、アレルギー科などで花粉症に伴う受診が増えやすい時期です。ただし、花粉の飛散時期は地域や年によって変わります。

そのため、「医療事務は3月が一番忙しい」と全国一律には言えません。内科では冬の感染症、小児科では感染症や予防接種、耳鼻咽喉科では花粉症というように、勤務先の診療科によって季節のピークが変わると考えるのが現実的です。

時期忙しくなりやすい要因影響が出やすい例
毎月の月末〜翌10日レセプト請求保険診療を行う医療機関全般
12〜3月インフルエンザなど内科・小児科など
2〜4月前後花粉症耳鼻咽喉科・眼科など
秋〜冬予防接種接種件数の多い医療機関
休み明け受診・電話の集中施設によって差が大きい

休み明けと午前中も忙しい

休み明けと午前中も忙しいことを表す、来院患者の対応をしながら電話応対も行う医療事務スタッフの様子

忙しさには月や季節だけでなく、曜日や時間帯の波もあります。一般に外来では午前中に患者さんが集まりやすく、月曜日や祝日明けに電話や予約変更が集中する医療機関もあります。

ただし、全国共通で「月曜日の何時が最も忙しい」と示す公的な統計があるわけではありません。完全予約制の病院、午後診療が多いクリニック、救急を受け入れる病院などでは流れが変わります。

医療事務を目指す方は、「午前中は受付が忙しい」「夕方は会計が重なる」「月末月初はレセプトが加わる」というように、一日の波と一か月の波が重なる仕事だとイメージしておくと分かりやすいですよ。

病院とクリニックで違う

病院とクリニックで違うことを表す、大きな病院の受付と小規模クリニックの受付の違いが分かる医療事務の比較イメージ

病院とクリニックでは、忙しさの種類も違います。大きな病院は患者数やレセプト件数が多い一方、受付、会計、入退院、レセプトなどを担当ごとに分けていることがあります。

小規模クリニックでは患者数が比較的少なくても、受付、電話、会計、書類、レセプトまで少人数で担当する場合があります。1人が受け持つ仕事の幅が広いので、欠員が出た日の負担が大きくなることもあるでしょう。

したがって、「病院よりクリニックの方が楽」「大病院ほど忙しい」と単純には決められません。働きやすさを判断するときは、施設の規模よりも、担当範囲と人員配置を見る方が実態に近いです。

忙しい時期を知って働く準備

忙しい時期を知って働く準備を表す、自宅でノートを取りながら医療事務の勉強を進める女性の様子

これから医療事務を目指すなら、繁忙期があることだけを怖がる必要はありません。大切なのは、忙しい時期に何の仕事が増えるのかを知っておくことです。

未経験の方が最初からレセプトを完璧に処理できるわけではありません。受付や会計、資格確認など日常業務を覚え、そのうえで診療報酬やレセプトの流れを少しずつ理解していきます。

私自身、総務として医療事務を長く見てきましたが、実際にユーキャンの医療事務講座を受講して試験まで経験したことで、医事課の方が行っている請求業務の仕組みを以前より具体的に理解できました。

これから基礎を身につけたい方は、ユーキャンの医療事務講座でレセプトや診療報酬の学習内容を確認してみるのも一つの方法です。

ユーキャン医療事務講座の特徴と受講申し込み・資料請求ボタンが表示された公式ページ
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講座で学んだから現場の仕事がすべてできるわけではありませんが、専門用語を初めて聞く状態から入職するより、話の意味をつかみやすくなると私は感じました。

HIRO
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入職後の立ち回りが気になる方は、医療事務で使えない新人と思われやすい原因と改善策もあわせて読んでみてください。

HIROのワンポイントアドバイス

忙しい職場かどうかは、繁忙期があるかだけでは決まりません。

同じ月初でも、人員に余裕がある職場と、少人数で残業前提の職場では働きやすさがまったく違います。求人票や面接では「月初の残業」「レセプトの担当人数」「教育体制」を確認しておくと安心です。

医療事務の繁忙期に関するFAQ

Q1. 医療事務が一番忙しいのはいつですか?

A. 全国的に共通しやすいのは、毎月の月末から翌月10日前後です。レセプトの提出期限が原則として診療翌月10日までだからです。ただし、内科や小児科では冬の感染症など、季節要因による患者対応の方が忙しく感じる時期もあります。

Q2. 月末と月初ではどちらが忙しいですか?

A. 職場の進め方によるため一律には言えません。月末から入力や確認を進める職場では月末から忙しくなり、月が替わってから集中的に点検する職場では月初の負担が大きくなります。私の勤務先では月末から9日頃までが特に慌ただしいです。

Q3. 10日を過ぎれば暇になりますか?

A. レセプト請求のピークは落ち着きやすいですが、暇になるとは限りません。感染症の流行、返戻への対応、入退院、文書業務、予防接種などが重なれば、中旬以降も忙しいことがあります。

Q4. 訪問診療の医療事務も10日前後は忙しいですか?

A. 保険診療分は月ごとのレセプト請求サイクルの影響を受けるため、10日前後の締め切りは関係します。ただし、訪問診療ではスケジュール管理、在宅関連の算定、文書や連携業務などもあるため、一般外来とまったく同じ繁忙パターンになるとは限りません。

Q5. 医療事務は月初に必ず残業しますか?

A. 必ずではありません。私の勤務先ではレセプト時期に残業が増えますが、日常的な点検、人員配置、レセコンの機能、担当件数などによって残業の有無や時間は変わります。応募先が気になる場合は、採用担当者へ月末月初の勤務状況を確認するのが確実です。

医療事務の忙しい時期まとめ

医療事務の忙しい時期まとめを表す、総務課長がスケジュール表を使って繁忙期の流れを説明し医療事務スタッフが確認している様子
  • 毎月の基本的な繁忙期は月末〜翌月10日前後
  • 私の勤務先では月末〜9日頃に残業が集中
  • 冬は内科や小児科で感染症対応が増えやすい
  • 春は耳鼻咽喉科や眼科などで花粉症の影響が出やすい
  • 休み明けや午前中の忙しさは施設によって異なる
  • 病院とクリニックは忙しさの種類が違う

医療事務の忙しい時期を一つ挙げるなら、毎月の月末から翌月10日前後です。

制度上のレセプト提出期限があるため、通常の受付や会計に、点検・修正・請求確定といった仕事が重なります。

私の勤務先では、前日の9日までに請求を完了させる流れなので、月末から9日頃までに残業が集中しやすくなっています。

ただし、全国すべての医療機関が同じ残業時間、同じ働き方ではありません。

忙しい時期があるからといって、医療事務を必要以上に大変な仕事だと考える必要はありません。

繁忙期を乗り切れるかどうかは、本人の努力だけでなく、人員配置や業務分担、職場の教育体制にも左右されます。

これから医療事務を目指すなら、まず仕事の流れを知り、必要に応じて資格講座で診療報酬やレセプトの基礎を学ぶという順番でも十分です。

仕事内容や講座内容、求人条件は変わる可能性があるため、正確な情報は公式サイトや応募先の医療機関で確認してください。

働き方や労働条件について判断に迷う場合は、勤務先の担当者、ハローワーク、労働局などの専門窓口へ相談したうえで最終的に判断しましょう。

以上、この記事が参考になれば幸いです。

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